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中東欧にインフレリスク、賃金上昇の加速で

中東欧にインフレリスク、賃金上昇の加速で

賃金上昇の加速を背景に、中東欧で再びインフレリスクが現実化しつつある。長期に及ぶデフレ傾向からの脱出を歓迎する視点がある一方、労働生産性の伸びが賃上げに追いつかず、企業競争力の悪化を懸念する声も出てきた。各国中銀も金融引き締めへの転換を視野に入れ始めた。

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中東欧最大の経済規模をほこるポーランドは、8月の賃金上昇率が前年同月比で4.7%に上った。ルーマニアでも過去9カ月で伸び率は10%を超えた。
 
チェコは第1四半期に賃金上昇が加速する一方で、労働生産性の上昇スピードは鈍った。ハンガリーは西欧への労働力流出による人手不足で、1-7月期の実質賃金が8.3%のプラスとなった。
 
賃上げによる消費拡大がけん引し、中東欧は欧州連合(EU)の中でも経済成長率が最も高い。EU内の「東西格差」が縮まる反面、労働生産性の伸びは緩やかで、生産者価格が上昇するリスクがある。
 
このため、ソシエテ・ジェネラル(ロンドン支店)のフリャ新興市場ストラテジストは、「人手不足による賃金上昇の行方を注意深く見守る必要がある」と呼びかけている。
 
長期に及ぶデフレ傾向からようやく脱しつつあるポーランドの中銀は今月、次の政策決定が「引き締め」になるとの見通しを明らかにした。インフレ・経済動向が現時点での予測に沿う形で進展すれば、来年末ごろに利上げを実施する方向だ。ハンガリー中銀は来年中にインフレが加速すると予測する。
 
チェコ中銀は賃金上昇で来年はインフレ目標(2%)が達成できるとみている。インフレ目標の達成で、通貨コルナ高を防ぐ為替介入措置を撤廃する条件がクリアできることから、市場では介入終了を見越した取引も出始めている。

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