2017年9月21日

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【ロシア発】老人に子どもを預ける新規事業とは?

【ロシア発】老人に子どもを預ける新規事業とは?

定年退職後の目的を見つけるのに苦労している老人が、ロシアには多い。夏は田舎生活を楽しむが、それ以外の季節はあまりやることがない。モスクワで始まった新しいサービスは、人生に収入と新たな意味をもたらす。

 

クセニア・ズバチェワ、ロシアNOWへの特別寄稿

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ロシアでは、孫の面倒を、働く親に代わって祖父母が見るのが一般的である。だが若い親が遠く離れて暮らしている場合は、それはできない。祖父母が近くにいなかったら、誰がベビーシッターになるのだろうか。
 
ロシアではこの問題の解決策が考案された。「時間祖父母」では、老人に子どもの面倒を見てもらうサービスを提供している。老人は子どもを学校から連れてきて、宿題を手伝い、さまざまなことを語って聞かせる。この事業はモスクワ市とモスクワ州で実施されているが、すでに「戦略イニシアチブ局」、「インターネット・イニシアチブ発展基金」などの機関から支援を受けている。
 
「時間祖父母」の共同創業者ナタリア・リンコワ氏はこう話す。「バルセロナで博士号の取得を目指していた時に、これを思いついた。仕事と世代間交流が高齢者の認知機能にどのような影響をおよぼすのかを研究していた。自分たちが誰かの役に立って、まだ貢献できると感じることはとても重要。収入もね」
 
◆ ウィン・ウィンの取り組み
 
これはウィン・ウィンの取り組みである。親は子育ての悩みを軽減できるし、老人は人生に新たな意味を見いだして収入も得ることができる。平均料金は1時間250ルーブル(約480円)。最低依頼時間は3時間。現在、モスクワおよびその郊外に1500人以上の「祖父母」がいる。リンコワ氏によれば、「祖父母」の多くはモスクワの知識層だという。27%が学術資格の保有者で、70%以上が高等教育を受けており、中には複数の学部を卒業している人、優れた職歴のある人もいる。
 
預ける親の感想を読む限り、とても喜んでいるようだ。「うちのリュドミラおばあちゃんはとってもエネルギッシュ。イエメンとモザンビークにいた時のことを子どもに話したり、博物館に一緒に行ったり。子どもたちは大興奮してる」とある親は書いている。
 
「タチアナおばあちゃんのおかげで、息子が読書好きになった。一緒に本を読んで、詩までいくつか覚えた」と別の親は書いている。
 
45歳以上を対象とした学校も設けており、子どもやその親との交流の仕方、問題が起きた時の対応、応急手当、屋外の安全対策、子どもの楽しませ方などを教えている。プログラムは2日間。価格は5500ルーブル(約1万500円)。仕事をすることを保証しなければならない。登録後に学ぶ場合は、価格が2000ルーブル(約3500円)と安くなる。無料の場合もある。
 
介護のプログラムもある。子ども以外にも、高齢者や寝たきりの患者の世話を常時するサービスを行っている。
 
◆ 世代間をつなぐ
 
「これらのサービス以外にも、インスタおばあちゃんコースで世代をつなげようとしている。若い女の子がお年寄りの女性に、インスタグラム(画像投稿サイト)や他のデート・サービスを含むオンライン・ツールの使い方を教える。当校では2人の女性が、この交流をして、ヨーロッパに愛を見つけた。若い人とおばあちゃん、おじいちゃんがいろいろと教え合っている」とリンコワ氏。
 
この事業と類似したプロジェクトは、ロシアの地方でもすでに行われている。2012年、バイカル慈善基金は、ブリヤート共和国社会保障課と協力して、プロジェクトを始めた。その後、イヴァノヴォ、ニジニ・ノヴゴロド、オリョル、ウラジーミルなどでも地元の社会保障プログラムの一環として導入され、無料でサービスが行われた。モスクワでは、行政府の支援は受けていない。
 
リンコワさんは、このような社会保障プログラムが長期続くとは考えていない。「この取り組みはボランティア。老人、特に優秀な職業の履歴や学術のスキルのある人にとって、これはフェアじゃない。無償の仕事には絶対反対。少なくとも何らかの報酬が努力に対して支払われるべき」とリンコワ氏。
 
ソース:ロシアNOW/https://jp.rbth.com/lifestyle/79152-obasan-babysitter

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