2017年10月3日

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なぜナイジェリアのスタートアップは事業を畳まざるを得なかったのか?

なぜナイジェリアのスタートアップは事業を畳まざるを得なかったのか?

〜失敗からの学び〜

ナイジェリアのライドシェアアプリ「GoMyWay」。
注目を集めていたスタートアップであったが、今月末に事業を閉鎖させる。

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どの様なサービスを提供しているのか?
車の所有者が、空いている座席を活用し、同じ目的地の人をアプリ上で連携させる。
車を持たない人は、安価で目的地まで到達出来る。
車の所有者および同乗者の評価がされていくので、ドライバーも同乗者も評価の星の数をチェックして相手を選ぶことが出来る。
 
アフリカで「タクシー」と言えば、同じ目的地に向かう人々がぎゅうぎゅう詰めで乗り込むバンが一般的だが、違いは何か?
 
バンは一般的に、特定の郊外とダウンタウンをシャトルバスの様に何度も往復している。
従って、行き先が限られている。
いつもと違う場所に向かう場合は、行き先を指定するタクシーを使用しなければならず、アフリカ庶民からすると高価な出費となる。
ここで、同じ目的地の人がいればGoMyWayを使用して到達出来る。
 
また、街乗りタクシーの様にぎゅうぎゅう詰めになることもない。
 
また、車の絶対数が増えすぎるのを防ぎ、渋滞解消にも寄与する、という社会的な意義も有していた。
 
 
GoMyWayは2015年にライドシェアサービスを開始した。
元Amazonの役員(Bill Paladino)など、多くの有名な投資家の支援を受けてのスタートだった。
 
最初の事業計画は、収入を度外視して実際に利用してもらうことに重点を置いた。
すべてが計画通り進んでいると思われた。
 
実際、ローンチから2年が経過した今年6月、登録メンバーは150%増加していた。
 
しかし今週、資金調達がなくなり、投資家がさらなる資金で会社を後押しすることを望まないと表明したため、CEOであるDamilola Teidiは2017年10月末に事業を閉鎖させる決断を下した。
 
「この事業を運営するには多くのリソースが必要であり、当初の計画はもはや持続可能ではなかった。株主・投資家は、当初の想定以上の追加投資を余儀なくされ、事業を閉鎖するという結論に至った」とDamilola Teidiは語っている。
 
 
ナイジェリアだけでなく、スタートアップ起業が盛んなケニアでも類似した事例が多く発生している。
なぜ、これらのスタートアップは話題性に富み、著名な投資家からの援助を受けているにも関わらず、道半ばで失敗するのか?
 
これに対して、大きく3つの考察が考えられる。
まず、将来のキャッシュフロー計画を含む事業計画の精度が著しく低い、という理由。
今回のケースも、当初想定していたよりも、ずっと多くのキャッシュが必要となっていた。
 
次に、上記にも関わるが、マネタイズして営業収益だけで事業を回して行く絵が描けないまま、資金調達して事業を開始させてしまうケース。
 
最後に、途中でビジネスモデルや戦略の転換が求められるシーンにおいて、素早くピボット出来ないケース。
 
なお、投資家による投資が長期的目線でなされておらず、忍耐が必要となる場面でじっと待てない、という投資家側の要因も考えられる。
しかしながら、これは投資家と起業家の対話で決まる。
きちんとしたリカバリー計画や黒字化転換計画が説明出来なければ、どんな投資家も投資の意思決定は出来ない。
 
 
アフリカという注目度の高いエリアでの起業には、必要不可欠なしっかりしたキャッシュフローの計画がないままサービスをローンチするケースがある。
また、実際に事業を開始してから判明する、戦略・ビジネスモデル転換の必要性にも、瞬発力を持って対応出来ていないケースもある。
 
しかしながら、ビジネスはPDCA。
いずれかが欠けると、そのひずみがどこかで表面化する。
 
1. キャッシュフロー計画は力を入れて作成すること
2. 第3者からの資金調達ではなく、将来的に必ず営業キャッシュフローだけで継続出来る絵を描くこと
3. 実際に事業を開始してから判明する、戦略・ビジネスモデル転換の必要性に常にアンテナを立て、瞬発力を持って対応すること
4. 上記の3つを持って、苦しい時は投資家に「将来的に上向く理由」を熱意を持って説明すること

 
この4点が、アフリカのスタートアップが、アメリカのそれの様にスケールして成功を収めるのに必要となる。
 
 
※参照:アンドアフリカ合同会社、コーポレートウェブサイト
http://andafrica.co.jp/?p=926

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