トルコ経済の先行き懸念強まる、通貨安と巨額債務が大きなリスク要因に
トルコ経済の先行き懸念が強まっている。大手格付け会社の米ムーディーズは8月28日、通貨リラの下落により「金融危機のリスクが高まっている」として、同国の銀行最大手イシュバンクを含む20の金融機関を格下げした。
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また、米金融大手のJPモルガンは29日、同国が来年半ばまでに返済しなければならない対外債務は1,530億ユーロで、国内総生産(GDP)の4分の1に当たるとする試算結果を発表し、同国経済の先行きに警告を発した。トルコ政府は「景気後退のリスクはない」(アルバイラク財務相)との立場だが、今後もリラ安が続けば景気への悪影響は避けられない。
ムーディーズが格下げしたのはトルコの国内銀行18行とその他の金融機関2社。このうち、イシュバンクと9位行のデニズバンクを含む4行は格付けを2段階引き下げられた。これを受けてリラは対米ドル・ユーロでともに約7%値下がりし、年初からの下落率は40%を超えた。
トルコでは経常収支の悪化を背景に、年初からリラが下落し続けている。8月には米国人牧師の拘束問題をきっかけに対米関係が悪化。両国間の追加関税の応酬へと発展し、リラの下落に拍車がかかった。
トルコのエルドアン大統領の娘婿でもあるアルバイラク財務相は日刊紙『ヒュリエット』に対し、「公的・家計債務の水準の低さと金融システムの堅牢さ」を理由にトルコ経済の安定性を強調した。しかし、リラ安による輸入品価格の高騰で8月にはインフレ率が17.9%へと上昇。その一方で、利上げを嫌うエルドアン大統領の圧力で中央銀行は身動きが取れないでいることから、リラの下落に歯止めがかからない状況が続いている。
ソース:https://fbc.de/ost/ost35012/

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