2019年11月6日

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香港エレクトロニクスフェア

香港エレクトロニクスフェア

10月13日から16日まで開催された「第39回HKTDC香港エレクトロニクスフェア(秋)」は、電子製品およびサービスの国際見本市で、世界最大級を誇る。香港貿易発展局(HKTDC)が主催するもので、年に2回開催する。秋は、「エレクトロニクス アジア」と並行して行われ、24カ国・地域から3,740出展企業が出展した。

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エレクトロニクス関連の展示会は、香港や中国本土、台湾などをはじめ、世界各国から最先端のICT、IoT、AI技術・製品が出展され、「AR、VR&MR」「コネクテッドホーム」「eヘルス&ウェアラブル」「ロボティクス&無人化技術」「AI&音声認識」などの特設ゾーンが設けられた。会期中には「IOTにおけるブロックチェーンの可能性」や「イノベーションシンポジウム」「サイバーポートにおけるスタートアップ企業」など、急速に変化するエレクトロニクス業界の最新の技術開発を紹介するなど、各分野にて30以上のセミナーやシンポジウムが開催された。
 
6月から続くデモ活動により、今年は香港で開催される国際イベントの中止が、相次いでいる。こうしたなかの開催ということもあり、会場では、不参加を余儀なくされる企業も少なくなく、空きブースが出るなど、社会のムードが影響しているとみられた。会場に出展した各国、地域の関係者に話を伺った。
 
インタビュー①
 
Shenzhen Yolanda Technology Co.,Ltd セールスディレクター Yang Jiang氏(中国・深圳)
 
2013年に創業したShenzhen Yolanda Technology Co.,Ltdは、本拠点を深圳におく。OEM生産で世界展開をしており、日本では健康管理会社で生産している。同展示会への出展は2017年以降で、会場では自社生産している商品のなかでも特に人気の「スマート体重計」の最新商品を展示した。商品は、Wi-Fiを通してスマホに連動するもので、計ったデータが表示、保存することが可能だ。主に、心拍計、血圧測定、活動量計、歩数計、といったデータ分析や時計機能はもちろん、スマホとBluetoothで接続すると、心拍数、血圧、脈拍、脂肪量など10項目以上を瞬時に計ることができる。また基礎代謝や運動消費カロリーを正確に記録することで、体重管理のサポートだけでなく、カロリー計算をすることで、食事内容の提案する機能もついており、同社商品のなかでも特に人気が高い。言語の対応は日本語を含めた20カ国語だが、今後はさらに増やしていくという。デモの影響については、「来場客は例年のあまり変わらない印象だが、中国本土からの来場者は減り、欧米からのバイヤーが多くなったように感じた」と同社セールスディレクターのJiang氏は述べた。会期中は初日から日本の企業も商品を見に訪れたそうだ。「日本の会社はサイクル(商談、交渉)技術的な要求は高いが一緒に仕事をしててやりがいを感じられる」と話した。
 
インタビュー② 
 
DYNACAST  セールスエンジニア 羅子昌氏(中国・東莞)
 
アメリカに本社を構え世界展開をしているDYNACASTの中国本土ブースには東莞からの出展。主に金属のカバー部品(ドローンのカバーにつける部品、ヘッドホンの部品など)を生産しており、東莞工場は10年前に設立しており、ここ5年連続で出展している。中国本土の企業の子会社が香港にあり多くの顧客がいるため、こうした香港での国際イベントを通して販路拡大を目指している。本土の工場での生産量が米中貿易摩擦の影響で近年減少しているということで、昨年に比べ全体の2、3割減少した。
 
インタビュー③
 
北京康力優藍機器人科技有限公司(CANBOT)
 
海外事業部門スーパーバイザー 王勝(サイモン・ワン)氏(中国・北京)
 
CANBOTは、家庭用、産業用も含めたロボットを製造する中国の代表的な企業。商業利用だけでなく、教育、スマートホームなど様々な分野で活用しているロボットを製造する。現在までにおよそ100件の特許を持っているCANBOTは、中国初のISO9001認証サービスロボット企業としても知られている。2016年と2017年に中国産業情報省によって中国TOP10ロボットを受賞するなど、今中国国内でも大注目のロボット製造会社だ。
 
日本でも同種の製品として「アシモ」や「ペッパー君」があるが、これらのロボットとの相違点は、CANBOT のUU– U05は各パーツやソフトをモジュール化することで、様々な企業や個人が製品をカスタマイズしアップデートしていくことが可能なことだ。2008年には、知的ロボット研究分野に参入し、AI、音声認識、屋内ナビゲーション、スマートセンサー、インタラクティブなソフトウェア、CSIST、INTEL、IBM、HUAWEI、NVIDIAなどのトップ企業の研究機関と協力するなど幅広い分野での展開が目覚ましい。 世界のトップエンジニアリングおよび技術研究チームの支援を受けて、ヒューマノイド商業用ロボット、パートナー型インテリジェントホームサービスロボット、教育および娯楽用ロボットを網羅する完全な生産ラインを維持している。さらに、2018年には、サンリオよりライセンスを受契して製造したハローキティロボットを開発し、主に教育(学習機能)や、音楽、エンターテインメントの機能が入っている。CABOTの開発するロボットは、すべてにナビゲーション機能があり、顔認証システム、自動ナビゲーションシステムもあり、現在は空港や駅などで情報提供している。
 
中国本土では、空港、ホテル、病院、ショッピングセンター、法律事務所などで活用、法律的な質問にも対応しているという。「エレクトロニクスフェア」は、4回目の出展。取材をしている間にも南米、欧米からの貿易会社、バイヤー関係者が多く訪れ、しきりにロボットに話しかけ一緒に踊るなど同社ロボットの関心の高さがうかがえ、情勢の不安定を感じさせないほどの盛況ぶりだった。現在およそ10カ国で販売展開しており、世界で開催されるイベントにも数多く出展。11月には深セン市で開催されるロボットと人工知能のイベントに参加、来月1月にラスベガスで展示会に出展するなど、世界各地のイベントにも積極的に出展している。目下現在の目標は「日本での協力企業を探すこと」だという。
 

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