2020年8月11日

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フィリピン:4月~6月のGDP経済成長率 前年同期比の-16.5%

フィリピン:4月~6月のGDP経済成長率 前年同期比の-16.5%

86日、フィリピン統計庁(PSA)が発表した今年度第2四半期(4月~6月)のGDP(国内総生産)成長率は前年同期と比べて-16.5%となり、これはPSAが統計を取り始めた1981年以来最悪の記録となった。

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過去のGDP落ち込みは1884年にマイナス7%、1985年マイナス6.5%を記録していて、これがマルコス独裁政権崩壊(1986年)の一因にもなっている。
 
今回の統計開始以来の落ち込みは新型コロナ・ウィルスによる経済活動の停止によるもので、汚職にまみれたマルコス時代とは中身が違うと政府は弁明するが、アセアン加盟国で感染者数がそれまで一番多かったインドネシアを抜く事態になり、大統領以下お手上げ状態で次期の数字も悲観的に見られている。
 
産業別では農業が前期より1.5%増となったが成長率は低く、コロナ禍で農業に回帰する人が多かったためと見られている。
 
要となる製造業は22.9%減、サービス業が19.6減と大きく落ち込み足を引っ張っているが、防疫体制が以前のように強化されたために、この分野の回復は難しいのではと見られている。
 
支出の統計では、家計消費が10.7%減となっていて、これは海外からの送金に頼るフィリピンの消費構造の中、5月単月で前年比20%近く減っている実情から、著しい回復は難しいと見られている。
 
旺盛なコンドミニアム需要も落ち込んだために、好調であった建設業は5.5%減、耐久機器も4.2%減と前年同期から落ち込んでいる。
 
一方、政府支出は22.1%の大幅増となっているが、コロナ対策の支出が多いためであり、インフラ整備に回す分がそれだけ減っている。
 
新型コロナ・ウィルスによる影響が出始めた今年の第1四半期(1月~3月)のGDPはマイナス0.7%を記録し、これは1998年以来21年3ヶ月ぶりのマイナスで、今期の大幅なマイナスから経済専門家は『フィリピンは不況に入った』と分析している。
 
国際的経済機関や銀行などはフィリピンの2020年度の経済成長率は何れもマイナス2~4%の範囲で予測しているが、第2四半期の数字の動きから、下方修正される模様。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=399

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