ドゥテルテ大統領批判の上院議員、違法薬物取引容疑で逮捕
違法薬物関与容疑者に対して『抹殺』を政策の第1に置くドゥテルテ大統領に対して『人権』の立場から批判を重ねるデ・リマ上院議員(2016年5月初当選)が、2月24日午前8時過ぎ、国家警察犯罪捜査隊(CIDG)によって『包括的危険薬物取締法違反』容疑で逮捕され、首都圏ケソン市の国家警察本部にある拘置所に収監された。
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デ・リマ議員はアキノ政権時代に司法長官を務め、その後上院議員に当選し、2016年大統領選挙でロハス元内務自治長官を担いでドゥテルテに破れた自由党所属で、同党所属の副大統領に当選したロブレドや同党所属議員から『ドゥテルテ陣営による弾圧、嫌がらせ』と批判されている。
デ・リマ議員に対する嫌疑は司法長官時代に管轄する首都圏モンテンルパ市にあるニュー・ビリビッド刑務所内で、違法薬物売買に関与したとされ、モンテンルパ地裁が23日に逮捕状を発行した。
同議員の保釈は認められず、有罪になった場合は最高で終身刑が科せられる
今回の事件ではデ・リマ議員を告発し証人となった人物が同刑務所に収監されている密売組織の大物で、政府側の同人物を優遇する働きかけと、同議員に対する恨みからでっち上げ、虚偽の証言をした疑いが浮かび上がり、逮捕を認めた判事も何らかの作用が働いたのではと見られている。
デ・リマ議員はドゥテルテがダヴァオ市長時代に暗殺団に関与していたと、上院の公聴会に元暗殺団の証言者を呼んで明らかにするなど、ドゥテルテの裏の顔を暴きドゥテルテ陣営には煙たい存在であり、事実を捏造して同議員を逮捕した政治的弾圧との見方も強い。
同議員は麻薬取引の関与を強く否定し、無実を訴えて今後は司法の場で闘い、真実を明らかにすると声明を発したが、元運転手で私生活では愛人でもあった人物も同容疑で逮捕されていて、仮に同議員の容疑が冤罪であっても同議員が受けたダメージは大きくドゥテルテ陣営の作戦は技ありというのが大方の見方となっている。
なお、収監中の人間が所内で殺される例も多発しているために、同議員の収監されている国家警察本部拘置所に対して国家警察長官は『警備を厳重にするように』と指示を出している。
【写真はフィリピン司法省庁舎】
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=405
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