2016年1月20日

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五光発條、超小型ばねで東南アジアへさらなる拡大

五光発條、超小型ばねで東南アジアへさらなる拡大

ばね製造の五光発條が、得意とする精密部品の動きを支える超小型ばねでタイ、ベトナム、インドネシアに拠点を拡大したと1月18日付の日本経済新聞が報じた。

同社の超小型ばねは、デジタルカメラやプリンターなどで使われる。

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拠点拡大は、国内の製造業者の東南アジア進出に合わせたもの。現地企業の需要も取り込み、現在7割の海外売上比率をさらに高める計画だ。
 
五光発條は、直径2ミリメートル以下のばねに数種類の「巻き」や「曲げ」を次々と盛り込んでいく高い技術力をもつ。村井秀敏社長は「取り付けた製品の動きを変える生命体」とばねの持つ潜在力を表現する。
 
そしてこの強みは注文に「絶対にノート言わない」という姿勢から生まれた。技術面や費用の問題からで他社があきらめた製品も断らずに取り組む。この結果、様々な特殊ばねの設計書や製造ノウハウを蓄積した。さらに、難題の注文に応えるうちにばねをつくる製造機械メーカーとの関係も深まったという。
 
同社の従業員は50人だが、海外では現地採用を含めて400人を抱える。同社が初めて海外に進出した先はタイ。1991年に工場を開いたが、従業員の教育には苦戦した。
 
「検品は済んだ」と報告を受けて安心していると実際には手付かずだったり、製品を間違えた取引先に納品したままにしてしまったりなど、日本では考えられないミスが相次いだ。村井社長は「ミスを報告すると自分が不利になると考える人が多かった」と振り返る。
 
この問題を、管理者による現場・現物・現実の「3現」を直接チェックする耐性を徹底することで乗り切った。
 
2005年にはベトナムにも工場を開設。14年9月にはインドネシアに進出するなど東南アジアに拠点を広げている。しかし人件費の上昇は免れられず、生産性の工場が欠かせない。タイの工場には無人の「自動ばね巻き工場」を整備した。
 
海外での売上高は15年12月期で17億円と全体の7割強を占めている。20年には21億円に増やす計画だ。今は日系企業からの受注が売上高を支えるが、村井社長は「今後はインドネシアなどで現地企業の需要を取り込みたい」と意気込む。

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